アメリカ合衆国オクラホマ州出身のプロゴルファー、故トミー・ボルトさんは、1950年代から60年代にかけて活躍をした名選手の一人です。
とくに、ショットテクニックが秀でており、専門家からも非常に評価の高い選手でもありました。
ただし極めて短気な性格のために、瞬間湯沸かし器というニックネームが付けられたことでも有名です。
そうは言っても生来の運動センスの良さからか、プロに転向したその翌1951年には、ノース&サウス・オープン・チャンピオンシップにおいて、何と初優勝を遂げています。
さらに、1958年には全米オープンも制しているのですが、後のインタビューではオープン戦を振り返ってこう語っています。
「僕はよくキレると言われたけれど、それは自分に自身があったからさ。58年のオープン戦の際にもスタート前から僕が優勝候補だと信じていたよ。」
ミスショットの度に短気な性格の故に、クラブを地面に叩きつけたり、池や林に投げ込んだりといった悪態が問題視されることもありましたが、南アフリカ出身の世界的に有名なプレーヤーでもあるゲーリープレーヤーさんは、そんな態度に対してさえもプロ意識の現れであるとして尊敬の念を抱いているライバルの一人でした。
記者にはこんなことを語っています。
「彼がコースで怒っていても、その怒りは自分に向けられたものであって、決して他人に向けられたものではないよ。だから誰も嫌がってなんかいなかったよ。」
さらにPGA協会では、トミーさんのこれまでの功績をたたえて2002年、86歳の時に世界ゴルフ殿堂におけるベテラン部門に選出しています。